弱冠25歳で世界的デザイナーに
「良いデザインとは、見た目的にオシャレなものではなくて、その中身にストーリー性が詰まっているものを指すんです」。
そう語るのは若干25歳にして世界的デザイナーとして活躍する一法師拓門。
3月30日にApple丸の内で開催されたデザインセミナーイベント「Today at Apple」に講師として登壇すると、会場は大いに湧いた。
一法師氏はZ世代を代表するクリエイターとしても知られており、若い層からのファンも多い。Appleのイベント担当者も「これまで開催したなかでも若い世代の来場者が多い」と感嘆のため息をあらわした。
デザイナーの仕事は「外を出歩くこと」
本イベントはMacの便利テクニックを学び、汎用性の高いプレゼンテーションアプリ「keynote」でデザイン制作に挑戦するという内容で進められた。
デザインと言えば、見た目のインパクトや読みやすさなどが主だと思われがちだが、一法師氏はそうではないと語る。
デザイナーとしてもっとも重要なことは8割近くが「外を出歩きながらデザインのヒントを探し出すこと」で、残りの2割が手を動かすことだという。
彼のデザインセンスは、高校卒業後に海外を巡ったことで感性が大きく磨かれたことを明かした。
クライアントには感性を押し付けてはいけない
一方、クライアントワークのデザインの場合は、自身の感性をおしつけるのではなくて顧客の頭のなかでイメージされているデザインをいかに引き出せるかが大切であると真剣な表情で語る。
イベント内でおこなったワークショップでは、クライアントワークを想定して聴講者同士がペアを組むことに。お互いの特徴や希望をヒアリングしながらロゴの制作に挑戦した。
前面の巨大パネルに参加者全員の作ったデザインがずらりと並ぶと、会場からは感嘆の声が溢れていた。
デザインは料理に似ている
最後に一法師氏にデザイナーとして成功するための秘訣を尋ねると「デザインは料理と同じで、ゼロから何かを生み出すものではありません。食材と調味料の掛け合わせで作るようなもの。いかに多くの調味料や食材の味を知っているかが、デザイナーとしての力量に直結してくる。どんどん新しいものに触れて感性を磨いてみてください」と笑顔で締め括った。
Z世代の感性が日本のデザイン界を大きく変える日も近い。